私が父親になってから もぅ6年になる。
いろいろと試行錯誤しながら今までやってきたが
常に心の中には、引っかかるものがあった・・・
「私は父親らしく出来ているのだろうか。これから いい父親になれるのだろうか」
そんな中このような機会に恵まれ、この本を読む事が出来た。
とてもいい機会だったと思う。
言い方は悪いが、先に生まれた大人は子供達を自分達の都合のいい大人に
育て導かなければならない。それが、この本のテーマである。
正直 ちゃんと向き合おうとすると、とても疲れるし、まじめな事を語るのは照れ臭い上に
建て前、きれい事を言うだけでは反発されてしまう。
この本から学んだのは「大人の過ちや、失敗も含めて素直に話してみる。
そして ときに認め、ときに否定し押したり引いたり出来るのが先人の知恵」と言う事だ。
文章にすると とても簡単な事で、誰もが知っている事である。
でも、これを実行することはとても難しい・・・
世の中には理不尽な事が溢れていて、腹の立つことも多い。
その理不尽さに対して信念と覚悟を持って立ち向かわなければいけない時もあると思う。
だからといっていきなり逆切れし、刃物を振り回していいはずがない。
それこそ何が良くて何が悪いのか教えてこなかったツケだと思う。
昔は「そんな事をしてはいけない」という「当たり前」だった事が通用しない。
それは恐ろしい事だと思う・・・
「当たり前」を伝えていく事は単に子供達の為ではなく、むしろ常に今を背負って生きる
大人の為だと思う。
突然の刃に傷つけられることなく、大人が安心して幸福に暮らせる世の中が続くという事は、
ずっと穏やかな未来が続くという事だ。
大人達のためなのだから多少の苦労や面倒は我慢のしどころではないだろうか。
次に大人になるのは、自分の息子達だから・・・
大工 井手 郷志